「そう言えば、ディック兄ちゃんたちは何してたの?」
お姉ちゃんたちがペソラさんと一緒にいろんなとこへ行って遊んでたのは解ったよ。
でもお仁根ちゃんたちが女の子だけで遊んでたって言うのなら、お兄ちゃんたちは別のとこに行ってたって事だよね?
そう思った僕は、ディック兄ちゃんに何やってたの? って聞いてみたんだ。
「最初の日は武器屋とか防具屋とかを周ってたんだけどなぁ」
「いくらイーノックカウが大きな街だからと言っても、そんなものが売ってると事は少ないから、すぐに見て回るところがなくなっちゃったんだよね」
お兄ちゃんたちはね、初めのうちは何か珍しい武器とかないかなぁ? って装備を売ってるお店とかを見て回ってたんだって。
でもそう言うのを売ってるお店なんか、そんなにいっぱいないでしょ?
だからすぐにやる事がなくなっちゃったんだって。
「でな、どうせ暇だし、簡単な依頼でもないかなぁ? って思ったから、二人して冒険者ギルドに行ったんだよ」
「でも、森にはポイズンフロッグが出てただろ? だから奥は危ないって事で、碌な装備も持ってない僕たちがやれるような依頼は、全部他の人たちがもう受けていたんだよ」
いくらポイズンフロッグがいるから森ん中に入れないって言っても、冒険者の人たちだって何かはやらないとダメでしょ?
だから森の外でできるお仕事とか、街ん中でできるお仕事とかは全部ほかの冒険者さんたちに取られちゃってたそうなんだ。
「そんなわけで、またやる事がなくなったんだけど、そしたら受付にいたお姉さんが声をかけてくれたんだ」
「受け付けにいたお姉さんって、もしかしてルルモアさん?」
「いや、別の人だよ。でね、その人からは僕たちが冒険者になりたてに見えたんだろうね。だからやる事がないなら訓練でもしてみたらって言われたんだ」
受け付けのお姉さんはね、受ける依頼が無くってがっかりしてたお兄ちゃんたちを見て、ギルドの地下に訓練ができる場所があるんだよって教えてくれたんだってさ。
それにね、そのお姉さんから簡単な武器の使い方なら教えてくれる人が居るんだよって言われたもんだから、お兄ちゃんたちはお願いしますって頼んだそうなんだけど、
「訓練場にいた人たちの方がなぁ……」
「うん。みんな僕たちより、弱い人ばっかりだったんだよ」
教えてくれるって人たちより、お兄ちゃんたちの方が強かったんだってさ。
お兄ちゃんたちは僕よりずっと大きいけど、この街の冒険者さんたちからしたらまだ子供に見えるでしょ?
受付のお姉さんは、そんなお兄ちゃんたちの事を見て冒険者になったばっかりだって思ってたみたい。
だから初心者用の人に教えてあげてね頼んでくれたそうなんだけど、お兄ちゃんたちって強いでしょ?
結局その人から、自分じゃ何ともならないから、もっと強い人を呼ぶねって言われたんだってさ。
「と言うわけで、その人と一緒に受付に言ったんだけど、そしたらルルモアさんがいてさ」
「さっきの受付のお姉さんに、僕たちはグランリルの村から来たんだよって教えて、代わりの人を連れて来てくれるって言ってくれたんだ」
ルルモアさんはお兄ちゃんたちの事、知ってるでしょ?
だからもっと強い人じゃないとダメだよって、お兄ちゃんたちの相手をしてくれたお姉さんに話したんだって。
そしたらお姉さんも、お兄ちゃんたちに教えてくれるはずの人もびっくりしたんだってさ。
でね、それじゃあ教えられ人なんて、このギルドにはいないんじゃないかなぁ? って誰かを呼びに行ったルルモアさんが登って行った階段を見ながらそう言ってたそうなんだけど、
「そしたら、ギルドマスターをルルモアさんが連れてきたもんだから、ほんとびっくりしたよ」
「でもルルモアさんは、僕たちに教えられる人なんてギルドマスターしかいないに決まってるじゃないのって笑ってたんだ」
普通だったらさ、ぐり度マスターのお爺さんが冒険者さんを直接鍛えるなんて事、無いんだって。
だからお兄ちゃんたちだけじゃなくって、受付のお姉さんや地下にいた教えてくれるはずだった人もびっくりしてたみたい。
でもギルドマスターのお爺さんはね、僕やお父さんたちに無理言って狩りに出てもらってるんだから、お兄ちゃんたちの面倒を見てあげるのは当然だよって言ったそうなんだ。
「へぇ、あのギルマスがねぇ」
「でも、それならいい経験になったでしょうね」
その話を聞いたお父さんとお母さんは、お兄ちゃんたちに良かったねって言ったんだよ。
なんでかって言うと、ギルドマスターのお爺さんはもう原液は引退してるけど、それでもお父さんより強いんだってさ。
それにずっと長い間冒険者をやってたから、いろんなことを知ってるそうなんだ。
だからそんなギルドマスターのお爺さんに教えて欲しいって思ってる人は、すっごくいっぱいいるんだってさ。
でもね、、
「確かに貴重な体験なのかもしれないけど……正直死ぬかと思った」
「あれは絶対、狩りの訓練じゃないよな」
お兄ちゃんたちは村でやってるような狩りの練習がしたいって思ってたみたいなんだ。
でもね、ギルドマスターのお爺さんは冒険者として生き残るための訓練をするつもりだったみたい。
だから訓練場では、お兄ちゃんたちが受けられるぎりぎりの攻撃をいっぱいしてきたんだってさ。
「ほんとは逃げ出したかったけど、先に頼んだのは俺たちだしなぁ」
「それにギルドマスターも熱心に教えてくれたから、結局最後まで付き合う事になったんだよね」
けどそのおかげで、お兄ちゃんたちはいつもは使わない盾での防御のやり方や、槍とか斧とかを使っての戦い方まで教えてもらえたんだって。
「え〜、お兄ちゃんたち、いいなぁ」
「そう言うけどな、ルディーン。お前はそんなもの、使う事ないだろ?」
それを聞いた僕は、ディック兄ちゃんにそんなのの使い方を教えてもらえていいなぁって言ったんだよ?
でも、いらないだろ? って逆に言われちゃった。
僕は魔法で遠くから狩りをするよね?
これってお姉ちゃんたちやお母さんみたいに、遠くから弓で攻撃するのとおんなじだからそんな技術はいらないよって、ディック兄ちゃんは言うんだ。
でね、横で聞いてたレーア姉ちゃんも、
「私たちもその話を聞いてたけど、いらないよねって話してたのよ」
って笑ったんだよ。
今日はちょっとやる事があるので、ここでいったん終了
なろう投稿時には、最後の所からもう少し加筆するつもりです。